キャパシティー

ぼくの手はふたつしかない。
つまり、不安定ではなく、
しっかりとなにかを掴もうとするならば、
必然的に、それはふたつだけ。
ということになる。
もちろん、小さくて、軽いものならば、
持ち方を考えれば、いくつかは持てる。
けれど、ぼくはそんな風に欲張るよりは、
どこまでも大きくて、どこまでも重いものを、
ふたつだけ、この手にしたいとおもう。
きっとそれは、小脇に抱えるものとは違って、
ぼくにしか持ち得ない、強いものになるはずだから。
欲張るとは、ぼくにとっては、そういうもの。
だれでも持てるものは、ぼくが持つまでもない。
隣の芝を青いとおもうほど、怠けているつもりもないしね。